日本の脳腫瘍の疫学的動向一脳腫瘍全国集計調査報告に基づく国内脳腫瘍登録データの変遷一

摘要

国内における脳腫瘍の発生状況,治療法,予 後などを明らかにし,治療の進歩に貢献することを目的として,1973年に脳腫瘍全国集計調 査のための企画委員会が発足した.翌1974年 には脳腫瘍全国統計委員会が,当時の佐野圭司 東京大学教授を委員長とし,全国の大学の脳神 経外科教授を中心に組織され,調査用紙を作成 し,1975年より集計を開始した.1977年には, 1969年および1974年度入院患者の腫瘍別分類, 発生頻度,治療方法などに加え,1969年度分の 5年生存率を掲載した第1回集計調査報告が発 表されている.その後も数年ごとに小冊子の形 で調査報告書を発行してきたが,2000年の第 10巻からはNeurologia medico-chirurgicaの supplementとして英文での発表となった.