多発性骨髄腫診断基準と病期分類の変遷と展望

摘要

多発性骨髄腫(multiple myeloma: MM)の症 状は多彩で,様々な診断基準が考案されてきた. 本邦では古くは今村の基準がよく使用され, 1986年に発表されたSouthwest Oncology Group (SWOG)の基準も頻用されてきた.しかし, 2003年にInternational Myeloma Working uroup (IMWG)の基準が骨髄でのク口一 ン性形質細 胞比率,M蛋白量,臓器障害の有無によって明 確に定義され確立された.今回2014年にIMWG の基準2)が改訂された.主な改訂点は,進行す るリスクが高いくすぶり型骨髄腫(smoldering multiple myeloma: SMM)を抽出し,MMに加 えることにより治療適応基準を変更したことで ある.