感染症にみられる免疫異常 後天性免役个全症候群(acquired immunodeficiency syndrome: AIDS) AIDS指標疾患感染症 単純へルぺスゥィルス感染症

摘要

単純へルぺスウィルス(herpes simplex virus: HSV)はへルぺスウィルス科に属している大型の2本鎖DNAウィルスであり，界中で人種，性差を超えてヒト-ヒト間で接触?飛沫感染により広く蔓延している.HSVは皮膚，粘膜に初感染後，髄神経後根に潜伏感染したのちに周期的に再活性化(回帰発症）を起こす.病態として初感染によって起こる急性型と，潜伏感染していたHSVの再活性化によって起こる再発型に分けられる. ヘルぺスウィルス科は8亜型が知られているが， SV感染症としては三叉神経節に潜伏して口唇へルぺスなどの頭頸部，上半身の感染源となる1型と，髄神経節に潜伏して性器ヘルべスなどの腰部以下の感染源となる2型がある.しかし近年では口腔性交などの性行為の多様化により若年層を中心にHSV1型による性器へルぺス，HSV 2型による口唇?咽頭へルぺスの増加など臨床病態も多岐にわたってきている.