多能性幹細胞とreprogramming技術他体細胞核移植によるリブログラミング技術

摘要

1962年Gurdonらがォダマジャクシの腸の上皮細胞の核を用いてカェルの生体個体の作出成功を報告して以来，移植によるリプログラミング(再プログラム化, 初期化ともいう）の研究は既に半世紀が過ぎた.特に，1997年に哺乳類において世界初の体細胞クローンヒッジ'ドリ一'が誕生して以降，20以上の哺乳動物種で体細胞クローン動物が作出され，さらには核移植技術と異なるリプログラミング技術としてiPS細胞技術が開発された.また，2013年には核移植により初めてヒトNT-ES細胞の成功が報告され，ヒトiPS細胞との比較研究も始まつた.今後も核移植技術が体細胞のリプログラミング研究および再生医療に様々な形で貢献することが期待される.本稿では，細胞核移植技術の最近の研究の進展について紹介したい.