糖尿病合併症疾患感受性遺伝子研究の 現状と今後の展望

摘要

血糖コントロール状況あるいは罹病期間にか かわらず，糖尿病合併症の進行に個人差がある ことが臨床の場においてしばしば経験される. 特に糖尿病腎症の発症進展には何らかの遺伝因 子の関与が強く示唆されているが，その詳細は まだ十分には解明されていない.一方，全ゲノ ム領域を網羅した大規模な感受性遺伝子探索(ゲノムワイド関連解析：GWAS)が可能となり， 2型糖尿病などでは既に多くの疾患感受性遺伝 子解明が達成されている.