肺Mycobacterium avium complex(MAC)症

摘要

我が国では非結核性抗酸菌（NTM）症が抗酸菌症全体の約10％で，そのうちMycobacterium avium complex(MAC)症が70％，Mkansasii症が15％を占めるといわれてきたが，2004年の調査によればMAC症の占める率が更に増加している．肺MAC症の肺病変は表1のように分類されるが，ホストの免疫状態をかhがみてHIV感染や先天性の細胞性免疫機能低下状態に発生するタイプ（播種性MAC症など）と明らかな免疫機能低下を認めない例に伴うタイプに大別できる．2007年にはATS／IDSAから10年ぶりに肺NTM症の診断，治療に関するstatementが発表された．本稿では主として免疫機能低下を伴わない後者について述べる．