新生児薬物離脱症候群Neonatal drug withdrawal, neonatal abstinence syndrome

摘要

本症候群は，分娩前に投与された薬物や常用 している嗜好品が,胎盤を移行して胎児に影響 し，その移行した物質あるいは代謝産物が出生 後の新生児の体内からの排泄過程で，新生児の 脳，消化器や自律神経の症状が一時的に現れる ものとしている.麻薬ゃ抗痙攣薬などの薬物の 中止により，離脱症状としてある種の症状をき たす場合を'新生児薬物離脱症候群，としている. 妊娠後期に使用した抗うつ薬の選択的セロト二ン再取り込み阻害剤(SSRI)なども投与妊婦か ら産まれた10 - 30 %の新生児に呼吸障害など を起こす.これは少なくとも薬物の離脱と薬物 そのものの直接作用の場合があり，'新生児不 適応症候群'と称されている.