血管性認知症の危険因子

摘要

血管性認知症（vascular dementia: VaD)は， アルツハイマー病(Alzheimer's disease ： AD)な どの変性疾患とは異なり，'治療可能な認知症 (treatable dementia)，という範疇に属し，危険 因子の厳格な管理により，病態の進行，さらに はその発症も抑制することが可能である.かつ ては画像診断で脳血管障害(cerebrovascular disease: CVD)を有する認知症のほとhどすべ てが血管性認知症と自動的に診断される傾向に あつたが，臨床病理学研究の結果などから，了 ルツハイマー病に脳血管病変が併存する病態が 珍しくないことが明らかになり，脳血管障害はアルツハイマー病の病態を修飾する危険因子に含められている.