馬場教授の海外金型見て歩記－第3部－［インドネシア編］：(3) 金型産業発展の成功の鍵「人材育成」、奮闘するIMDIA

摘要

新興工業国のキャッチアップ型金型産業発展には共通する重要な発展要素がいくつかある。イノベーションによる技術変容、金型関連技術の形式知化、市場拡大による相互学習効果と知識や資本の蓄積、金型関連技術教育の確立などである。整理すると、まず1つ目は「市場」の存在が大きい。ある程度以上の規模と発展性が見込める市場の存在は、金型企業発展の大きな原動力となる。2つ目が「技術」である。形状、性質、精度など要求される部品を成形するための金型作製には、緻密な設計力と確かな製作能力が必要となる。この点に関しては、CAD/CAM/CAE、コンビュータ制御のCNC工作機械の導入などが、ずいぶh助けになっている。しかも二番型以降で、実物の一番型やその3次元寸法データ、詳細な金型図面データや加工データなどがあればなおさらである。3つ目が「人材育成」である。金型関連技術の基礎を身につけ、技術革新の産物を使いこなすことのできる人材は金型産業発展の力となる。