工具形状のリバースエンジニアリングとCAMでの利用

摘要

近隣諸外国との本格的な国際競争時代を迎えた日本の金型づくりは、高付加価値化が求められている。 その流れの中で、加工の高精度化、高能率化も重要な技術開発要素になっている。 しかし現在、CAMシステムで3次元切削加工用のNCデータを作成する場合、工具形状は、ボールエンドミル、スクエアエンドミル、ラディアスエンドミルなどの定形的な形状の指定と、その主要な寸法を数字で入力する方法が一般的である。 ここでは、工作機械に簡単に設置し、工具の長さ、任意高さでの工具の回転直径、工具の振れを測定することができる「工具診断システム」と、その測定データから、工具形状を回転体としてCAD上に表現し、3次元ワーク形状との間で、高精度なNCデータをつくり出すことができる「摩耗工具CAM機能」の開発を行っているので、その概要を紹介する。