脊椎外科麻酔と脊髄機能モニタリング

摘要

脊椎外科手術はほとhどが機能改善目的の手術であるため，術後のquality of life（QOL）の低下を患者は受け入れがたい。 したがって，合併症のある患者では，十分な術前検査と慎重な説明が必要である。 麻酔管理に関しては，頸椎病変のある患者に対する気管挿管時の対策や時に生じる大量出血対策，さらには脊髄電気生理学的モニタリングを行うための麻酔方法の工夫が必要となる。 手術成績の向上には，高い精度の病変高位診断や脊髄機能モニタリングが重要で，そのためには，整形外科医と麻酔科医の緊密な連携が必要である。 本稿では，頸椎病変のある患者の気管挿管，脊髄電気生理学的モニタリング，そして最近米国で注目されている脊椎外科腹臥位手術後の視力障害について述べる。