標的濃度調節持続静注(targeトcontrolled infusion : TCI)システムで投与薬を誤設定した場合のプロポフォール·フェンタニルの予測血中濃度·効果部位濃度

摘要

標的濃度調節持続静注システムでプロポフォールとフェンタニルを誤って設定した場合の予測血中濃度·効果部位濃度の推移を,薬物動態シミュレーションにより検討した。 両薬物を取り違えても,投与直後の表示される血中濃度は同程度であるが,時間とともにプロポフォール濃度は減少,フェンタニル濃度は上昇することが確認された。 プロポフォールは分布が速く,蓄積性が少ない調節性の良い静脈麻酔薬である。 この調節性を生かす方法として標的濃度調節持続静注(target-controlled infusion : TCI)が開発され,わが国でもプロポフォール専用TCIシステムがprifusorとして商用化されている。 TCIはプロポフォール以外の薬物についても研究が進みつつあり4)5)われわれの施設ではフェンタニル用TCIシステムを開発する6)とともに臨床現場で使用し,フェンタニルTCI投与の有効性について研究を行っている。