鉄鋼·非鉄用圧延油の現状と動向

摘要

日本の年間圧延量は低炭素鋼の熱間圧延薄板で4500万トン，冷間冷延では2200～2500万トンを推移している．一方，非鉄のアルミニウム·アルミニウム合金は120万トン，銅·銅合金は15万トン程度である．ここ数年で見ると日本国内の鉄鋼生産は横ばい，非鉄生産は減少傾向にある．これらの原因は中国をはじめとする東南アジア諸国のシェア増加，および国内拠点の海外移転が進hでいるためであるが，一方，国内では付加価値の高機能化（高精度，高強度，高耐食性，高加工性，意匠性など）と生産性向上による低コスト化を目指している．特に鉄鋼，非鉄とも高強度化が進hでおり，材料，操業面だけでなくロール，圧延油を含めた見直しが必要である．ここでは圧延潤滑の最適化に必要な圧延油組成の研究·開発動向について述べる．