塑性流動結合の結合強度に及ぼす硬質穴部品内径の段差量とクリアランスの影響－専用パンチを必要としない塑性流動結合法の基本特性

摘要

この結合法の特徴は結合部付近の材料のみを局所的に塑性変形させることで部品の寸法精度を維持し，後加工を必要としないことにある．しかし，結合荷重が大きいと軸全体が塑性変形する等の寸法変化が生じ，この結合法の特徴を生かすことができない．そこで小さな結合荷重でより大きな結合効率を得る条件の把握を目的とし，SKD11穴部品の段付け加工部の寸法（以下，段差量と呼ぶ）が結合効率に及ぼす影響を検討した．また，前報では軸外径/穴内径のはめあいを一定としたが，このはめあいの隙間も結合効率に影響を及ぼす可能性がある．そこで本報告では，段差量および軸部品と穴部品のはめあいの隙間が結合強度に及ぼす影響についても述べる．