ヒトとロボットの皮膚と触覚

摘要

触覚の研究は五感の中でも視覚や聴覚に比べて遅れているといわれる．その原因のひとっとして，触覚が検出する知覚対象が画像や音声のように具体的でないことが挙げられる．これは，視覚·聴覚の受容器はむき出しで光量や空気の振動などの物理量を直接検出しているのに対し，触覚ほ皮膚の変形を介した自己知覚感覚であることに起因している。 触覚受容器は，皮膚甲内部に埋め込まれ＿ているために，対象物との接触力や温度などを直接検出す車代わりに，自分自身の皮膚変形や熱伝導といった非線形変換を介して自己を計測する．