ショットピーニングにおける単衝突後の表面残留応力の検計

摘要

単衝突の実験および解析も多数行われており、小林らはΦ50mmのショットを用いた実験で1回の衝突では圧痕中心部に引張残留応力が生じ，静的な荷重では引張残留応力が生じないことを示している．KoppらはΦ6mmのショットを用いたFEM解析により，1回の衝突では圧痕中心部に引張残留応力が生じ，衝突速度が低速になると引張残留応力が低下することを示している．Zangはショット径を変えたFEM解析を行い，ショット径が2mmよりも大きくなると1回の衝突では圧痕中心部に引張残留応力が生じることを示している．以上のように，ショット径が大きくなると，単衝突では圧痕中心部の表面に引張残留応力が発生することが報告されているが，そのメカニズムは必ずしも明確になっていない．そこで，本研究ではショットピーン成形に大径ショットやピンの適用を考慮して，接触部の曲率半径を25mm一定として，単衝突時の衝突速度と質量が圧痕表面の残留応力の及ぼす影響を数値解析で検討し，表面の残留応力の発生機構と残留応力分布の支配パラメータを明確にすることを目的とする．