同一表面粗さにおける浸炭硬化ローラの疲労寿命に及ぼすキャビテーションピーニングとショットピーニングの影響

摘要

ピーニングを施した浸炭硬化歯車の面圧強度に関しては，硬さ，圧縮残留応力，表面粗さの3 性状を用いて議論され，ピーニングによる硬さと圧縮残留応力の増加は面圧強度の向上を導き，ピーニングによる表面粗さの増加は面圧強度の低下を招くと結論づけられることが多い．しかし，ピーニング条件によっては，この3 性状のそれぞれが変化するため，材料特性の観点から面圧強度ならびに疲労寿命に及ぼすピーニングの影響を検討することが困難になる．そこで本研究では，同一の表面粗さになるように浸炭硬化ローラにキャビテーションピーニング（以下，CP）とショットピーニング（以下，SP）を施した．そして，これらのローラの転動疲労試験を行い，ローラの疲労寿命に及ぼすピーニングの影響について検討を行った．