ホットスタンプ（ホットスタンピング）型内トリム製法の開発

摘要

ホットスタンプ製法とは、オーステナイト変態点（約830°C）以上に加熱した鋼板を金型にて成形すると同時に急速冷却による焼入れ処理を行う成形技術のことであり、焼入れ処理を行った製品は1,500MPa級の引張強度を有する。現在車体骨格部品に適用されている980MPa級の部品をホットスタンプ材に置換することで数10％レベルのゲージダウンによる軽量化が可能となる。しかしながら、ホットスタンプ製法は材料を加熱するための加熱炉等の設備投資や生産性の低さから、高張力鋼板の冷間プレス製法に対し製品コストが高くなる。Hondaはホットスタンプ製法を今後の車体軽量化技術の中核技術のひとつと捉え、軽自動車でも適用できる低コストなホットスタンプ製法の確立を狙いとして本技術を開発し、2011年秋に発売した軽自動車N-BOX（写真1）に適用した。