イオン液体の真空蒸着技術とコンビナトリアル新材料開発への応用

摘要

“液体を真空蒸着する"。一見奇異に思えることが、イオン液体を用いると可能になる。イオン液体とは、融点が100°C以下の溶融塩であり、真空中でも室温ではほとhど蒸発しないことや、化学的、熱的にも安定で極性の有無にかかわらず多くの物質を溶解する。イオン液体は、多くの分野でさまざまな応用が期待されているが、特に有機合成の分野では早くからリサイクルできる不揮発性の溶媒としてたいへh注目され、いわゆるグリーンケミストリーの一翼を担う材料の1つである。一方で、イオン液体はイオンを介した導電性を有し、不揮発性、難燃性の電解溶液として、リチウムイオン電池や燃料電池、色素増感太陽電池などのさまざまな電気化学デバイスへの応用も検討され始めている。