連載：プラスチック原発海外情報(55)－熱可塑性ポリウレタンと連続ガラス繊維からなる高性能熱可塑性コンポジット

摘要

ガラス繊推やカーボン繊維にプラスチックをマトリックスとして配合したコンポジット材料には、不飽和ポリエステル樹脂をマトリックスとした、いわゆるFRPと呼ばれる安価なものから、カーボン繊維にエポキシ樹脂をマトリックスとした高性能で高価な先進複合材料(Advanced Composite Material: ACM)と呼ばれるものまで、数多くのコンポジットが作られている。 しかしその多くは、マトリックスとして不飽和ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂など熱硬化性樹脂が使われており、熱可塑性樹脂をマトリツクスとしたコンポジットは、カーボン繊維とポリエーテルエーテルケトン（PEEK）とのACMなど、きわめて少ない。 その原因は、ガラス繊維やカーボン繊維と熱可塑性樹脂との接着性が熱硬化性樹脂に比べて不十分で、ガラス繊維などの強化繊維を60～80wt％も含むコンポジットが作りにくいことにある。 PEEK／カーボン繊維の組合せは、例外的に強化繊維とマトリックス樹脂との間に強い接着力があり、高性能のACMとして航空機の部材などに使われているが、価格の高いことが難点とされている。