ドイツのゴミからPETボトルが消えた!--DSDの現状と強制デポジット適用の影響

摘要

前号でドイツの72％ルールによるワンウェイ容器への強制デポジットの適用について、PETボトルの現状を紹介したが、他方、ドイツで有名なDSD（Duales System Deutschland AG）との関係はどうなっているのだろうか。 端的にいえば、両者は競合関係にある。 強制デポジットの適用で、ワンウェイ容器が販売店から販売ルートを逆行して製造元へ回収されることによって、製造元はこの種のワンウェイ容器の回収·処理をDSD社に依頼する必要がなくなったわけである。 DSD社にとっては、その分だけ処理量が減少し、売上げも少なくなることになり、2003年は約3億EURの損失が出たとのことである。 たとえば、PETボトルについては、DSD社の2002年におけるプラスチック製包装廃棄物に占める割合は9％に達していたが、2003年1月からは、ほとhど回収されなくなってしまった。缶入りビールのアルミ缶にもデポジットが付けられ、販売店で缶ビールの販売を取り止めるところも現われるなど、DSD社にとっては2重の打撃となった。