生物に学ぶ動的に色を変えるナノ構造材料の開発

摘要

青い空、広い大地に生い茂る草木、色とりどりの花。このような場所では胸躍る、もしくは心休まり、癒やされる。その理由はいくつかあるだろうが、自然が奏でる鮮やかな色彩の効果が大きいだろう。同じ場所でも、どhよりとした曇り空のもと、草木も枯れた冬の粧いであったならとご想像いただければ分かるだろう。つまり、われわれは様々な色に取り囲まれており、その色彩は大きな影響力を持っている。“色"は「およそ400～750nmの波長をもつ光（可視光）により、視覚機能を構成している視細胞が刺激を受けることによって感じられるもの」であり、感覚的なものである。そのため、同じスペクトルの光でも人によって感じる色が異なることもあるし、印象も違えば好みも変わる。そうなると、身の回りにある工業製品もニーズに合わせて選択できるよう様々な色で彩られるようになる。つまり、“色"は自然界のみならず、工業的にも重要なものとなっているのである。