セルロースナノファイバーの将来ビジョンとロードマップ

摘要

経済産業省では、わが国製紙産業の将来ビジョンおよびそれを実現するロードマップを検討するため、製紙関連企業、学識経験者らの有識者から構成される検討会（委員長：経済産業省渡邉政嘉紙業服飾品課長）を立ち上げ、わが国製紙産業の将来展望と課題を分析し、平成26年4月に製紙産業の将来ビジョンおよびロードマップをとりまとめた。当該ビジョンでは、わが国の製紙産業がもつバイオマス資源のハンドリング技術を生かし、非化石系の化学系原材料を化学産業に供給するといった新たな次世代型脱石油産業の創造を提言している。この製紙産業と化学産業のお互いの強みを生かして境界領域で連携するこのような地球環境対応型産業の新形態を「高度バイオマス産業」として命名している（図1）。