まだ魅力があった[トレード時代]

摘要

ニチメンの鉄鋼商権は貿易、特殊鋼·ステンレス分野が強みだった。ニチメン（日綿実業＝日本綿花）は関西五綿（東洋棉花＝トーメン、江南、伊藤忠、丸紅）に数えられたが、鉄鋼商社としては戦後派であり、指定商の後塵を拝した。原料輸入から鋼材輸出へと参入し、商権を広げてきたが、とりわけ中国貿易において実横を育hだ。中国貿易は「交易会」に始まり「友好貿易」「LT貿易」「MT貿易」「AT貿易」と名を変えながら拡大していくが、友好商社として70年に「周4条件」を受け入れ、住友商事系の大華貿易などとともに存在感を高めた。中国だけでなく、ソ連、東欧圏（共産圏）にも展開し、年間鉄鋼輸出額は900億円に迫る勢いを見せた（76年度）。国内50％、輸出27％、輸入23％の鉄鋼売上構成だった。