成熟期へと移行したエチレン製造業:－設備能力拡大競争から企業合併·集約化の時代へ－

摘要

連載最終回となる本稿では，特定産業構造改善臨時措置法（産構法）に基づく設備処理後，現在に至るまでの日本におけるエチレン 製造業の変化を概観していきたい。この期間，エチレン生産量は大幅に増大した。設備処理完了時の1985年には約422万トンであったものが，2007年には過去最高の約774万トンと350万トン程度も増加したのである。1990年代初頭には大型のエチレン設備新設も行われた。一方でその後は，企業合併やエチレン製造を取りやめるエチレンセンターの出現，RING事業によるコンビナート連携の進展など，集約化の動きもみられ　エチレン製造業には大きな変化がみられた。