三井化学，赤字の大型3事業を抜本改革

摘要

三井化学は，2月6日に開催した経営概況説明会でウレタン事業，フェノール事業および高純度テレフタル酸（PTA）事業の抜本的な再構築計画を発表した。鹿島工場（茨城県）の閉鎖を伴う思い切った内容であり，成長性と永続性を確実にする事業ポートフォリオ変革のための重要な施策となる。事業再構築に関わる特別損失320億円を計上し，2014年3月期は3期連続の最終赤字となるが，「うみを2013年度に徹底的に出す」（田中稔一社長）ことと成長分野の事業拡大によって収益のV字回復を目指す。経営概況説明会に続いて行われた社長交代会見で，新社長に内定した淡輪敏（たhのわつとむ）取締役専務執行役員は「今回，田中社長は大変大きな決断をされた。大幅な減損処理，無配，そして会長に就かず相談役に退かれる。その思いは私自身がひしひしと感じている」と語った。