軌道に乗る欧企業の経営改革－ローディアとケミラの変身－

摘要

欧州企業の2007年度収益動向を概観すると，大幅増益企業から減益もしくは赤字企業まで様々であるが，詳しくみると，例年以上に大規模M＆Aによる増幅が激しく，事業ポートフォリオや主力市場の景況，為替変動の影響などが大きいことが分かる。 最大手BASF（売上高580億ユーロ＝795億ドル，年平均為替レート換算）では2006年買収の米Engelhardなどの通年寄与や石油·ガス部門の利益寄与が大きく，税引き後利益は26％増の55億ドルに達する。 Bayer（323億ユーロ＝444億ドル）も，2006年半ばに連結したScheringの通年寄与と診断薬や一部化学事業の売却益計上で3倍近い増益（65億ドル）となった。 Akzo Nobelも医薬品部門のOrganonの売却とICI買収という歴史的変化の過程にある。