OPEC動向と市場シェア拡大の行方注目される世界需要増加観測と原油価格

摘要

OPECは、2014年11月総会で生産枠椎持を決めて以降、生産枠の3，000万b／dから月間平均で約150万b／d増産している。しかし、出荷データや関係筋の情報に基づく調査では、8月のOPEC生産量は、7月の3，188万b／dから3，171万b／dに低下を予想。今年2月以来の減少となる見込みである。今年8月は、サウジアラビアやその他湾岸諸国の加盟国の生産量は総じて横ばいとなっており、イラク北部のパイプラインからの供給が一時ストップ。イラクの生産量が減少したことなどが減少の要因と思われる。しかし、OPECが価格よりも市場シェアを重視する戦略は揺らいでいない。IEAは、今年8月に非OPECの供給量が2016年に20万b／d減り、2008年以来で初の減少になるとの見通しを示した。一方、需要は140万b／d増加すると予想される。このため、競合する産油国が原油価格下落で打撃を受けるなか、OPECの市場シェアを拡大が益々高まることとなりそうだ。