ドイツは2022年までに全原発停止:エネ研、RWE社のガスナー氏招きセミナー

摘要

(財)日本エネルギー経済研究所は3月22日、来日したドイツRWE社のホルガー·ガスナ一市場·戦略業務担当ヘッドを講師に招き、「ドイツにおけるエネルギー転換－チャンスと課題」と題するセミナーを開いた。講演のポイントは次のとおり。①独政府は2010年10月に再生可能エネ拡大とCO2排出削減を図る野心的な目標を持った新しいエネルギー構想を提出（2050年の枠組み）したが、昨年3月の福島原発事故で同構想から「原子力」の役割を見直し、直ちに8つの原発を発電網から除外することを決めた（その後、2022年までに全ての原発を停止し、エネ構想の目標達成を加速することを目指す大規模な法令パッケージを定め、議会を通過させた）②新エネ構想の目玉は2050年までに再生可能エネの割合を最終総エネルギー消費量の60％まで増加させる③再生可能エネによる発電割合は2010年の17％から2030年には55％に増加させることになっているが、原発停止で見直しが必要④脱原発と再生可能エネ導入の加速に、新たに4，450kmの送電線の整備（北部から南部への距離の約8倍の長さ）が必要となる。