「新原調制度」移行に簡易ガス事業も乗り遅れるな－需要家の理解増進と収支健全化にも新制度の早期定着が肝要－

摘要

昨年秋からの電気、都市ガス等の料金高騰問題は社会的にも波紋を広げ、今年1～3月の高騰分の圧縮（電力会社及び都市ガス大手4社）に繋がったばかりか、更に「原料費調整制度」の見直し議論に発展し、約2ヵ月の間に新制度を策定し3月1日関係省令施行という運びとなった。 見直す点は①短期間での大幅な変動をなるべく平準化して反映できないか②短期間での上げ下げ局面が、即反映されない現行制度は社会的な感覚とのズレが生じているため、転嫁タイミングも同時に短縮できないか③特に急激な上がり局面には社会的救済面から行政関与ができないか―などであった。 結果的に新たな制度は、原則、料金反映までの期間を2ヵ月、料金反映のタイミングを毎月、反映対象期間を3ヵ月移動平均とするという仕組みとなった。 また、私営事業者には、料金反映までの期間を2ヵ月、料金反映のタイミングを3ヵ月、反映対象期間を3ヵ月平均、公営事業者には、原則料金反映までの期間を3ヵ月、料金反映のタイミングを四半期、反映対象期間を四半期平均、という選択も可能となった。 このようにこれまでと比べ、調整までの期間が短縮されたことは、事業者と需要家双方にメリットとなる制度に改善されたと言える。 約8,000団地もある各料金全てへの導入を円滑に進める苦労も当然予想されることから、関係者も様々な点で苦慮しているようだ。