骨疾患-二次性副甲状腺機能亢進症における病理病態学および治療について：最近の進歩-

摘要

本稿では，二次性副甲状腺機能亢進症（secondary hyperparathyroidism ： IIHPT)に伴つ骨病変 において，その病態および今後期待される治療法 にっき最近得られた知見を述べる。 加齢などにより骨量減少が生じる機序は，骨芽 細胞性骨形成量に比し破骨細胞性骨吸収量が相対 的に上回ること，とされてきた。一方で，nHPT を合併する透析患者では破骨細胞1個当たりの 細胞内核数は腎機能正常人に比較して多く ，その 骨吸収機能は亢進している。閉経後の女性で estrogenが低下しさらにII HPTを合併する患者 では，もちろh骨吸収が顕著であるが，このよう な患者に副甲状腺全摘除術（parathyroidectomy ： PTX)を行うと核数が5個以上の破骨細胞はほぼ すべて消失するものの，核数3?4個以下の破骨 細胞は残存することをしばしば経験する。