先行旳腎移植の現状

摘要

末期腎不全の有効な治療手段には，血液透析療法，CAPDと腎移植の3通りの腎代替療法がある。小児は成人と異なり軽度の腎機能の低下の時 期から成長発育が鈍化してくるので，成長発育の 面から腎移植は必須の治療であり，従来から先行 的腎移植(preemptive kidney transplantation ： PEKT)が実施されてきた。成人においては1990年代の後半からPEKTの 生命予後が，透析療法を経てから腎移植を受ける 患者よりも良好であることが報告され，推奨され るに至った。今回は，PEKTの現状について総論を述べたい。