円錐角膜治療の進歩

摘要

円錐角膜は非炎症性角膜変形疾患で，角膜中央 下方が菲薄化，突出して，正乱視?不正乱視を惹起して視力低下を起こす疾患である（図1-A).両眼性に発症するものが多いが，片眼性の場合もあ る.思春期ごろに発症し，徐々に進行して，30代 になると進行が止まってくるとされている.症状 は，不正乱視の進行のため，歪視の症状の自覚や， 眼鏡では視力が出にく くなり，ハードコンタクト レンズによる矯正が必要になる.疾患が進行する とデスメ膜が破裂して裂隙より前房水が入り，急 性水腫とよばれる角膜浮腫をきたすことがある (図1-B).疾患の進行によりコンタクトレンズが のせられなくなつた場合や，急性水腫が改善しなくなった場合には角膜移植が必要となる.