興味深いDIHSの症例報告（3）：小児科から－抗てhかh薬によるDIHSの小児例

摘要

Drug－induced hypersensitivity syndrome（DIHS）は特定の薬剤投与後に発症し，まれではあるが，多臓器障害を引き起こす重篤な疾患である．しかし，その病態についてはいまだ十分に解明されていない．近年HHV－6感染の再活性化とDIHS発症との関連性についての報告がなされた．今回著者らは，カルバマゼピン（CBZ〉によるDIHSの小児例を経験したので報告する．症例は14歳男児，てhかhに対するCBZ投与17日後に発熱，全身紅斑，リンパ節腫脹などが出現.血液検査値異常などからDIHSが疑われ紹介入院し，ステロイド大量療法を行い軽快退院した．この症例では急性期におけるHHV-6コピー数の著増と回復期の抗体著増から，HHV－6感染の再活性化が証明された．また，急性期における血清中炎症性サイトカインの増加と一過性低γ－グロブリン血症を認めた．これはDIHSの病因病態を解明するうえで貴重な症例と考える．