頸動脈ステント留置術のガイドライン

摘要

頸動脈ステント設置術(頸動脈ステント併用拡張術; carotid artery stenting:CAS)は1990年代後半から,欧米および日本で盛hに行われるようになった.当初は術中に頭蓋内動脈への遠位塞栓症を防止する手段がなかったが,その後,同軸(coaxial)で使用できる血管閉塞用パルンやフィルターなどが開発され,現在では塞栓防止という脳保護手段を講じたうえでのCAS(いわゆるprotectedCAS)が主流になっている.血栓内膜剥離術(CEA)には頸動脈血行再建術としてクラスⅠ,レベルAのエビデンスがあるが,その後に登場したCASの有用性については現在,さまざまな臨床試験が進行中である.