失語症の治療効果 EBMに基づく治療効果と今後の展望

摘要

失語症は高次脳機能障害の治療戦略を構築するためのモデルとして重要な障害であり,リハビリテーション医療のなかでは中心的な障害のひとつである.言語療法を行うことの有用性については確認されているが,個々の治療方法についての対照研究は少なく.なにが最良の治療方法なのか証明されTいない.しかし.治療時間を集中的に十分かける必要性は証明されており.週2時間程度では治療効果は期待で蕃ない.また,たとえ慢性期であっても治療効果かないとはいえない.新しい言語療法として注目される全体構造法は.患者の能力に合わせて言語を構造化できる知覚条件を設定し.ひいては患者自らが自分で言葉を獲得できるように援助することを目標としており.今後の発展が期待される.また.失語症在宅リハヒリテーション支援システムは失語症者のさらなる言語療法へのニーズの高まりに対応できる実用的システムであり.早急に導入されることが望まれる.