ア-ユルヴェ-ダの治療法と現代西洋医学 トリドーシヤ理論による全体的な治療戦略を考えて

摘要

インドを中心に行われている最古の伝統医学であるアーユルヴェーダは健康増進と病気予防病気の治療に対して,①薬草調合剤の服用,②生理的な老廃物や蓄積された毒素を体から排渡する身体浄化療法,③ライフスタイルの改善法,④瞑想など直接的に精神に働きかける方法の4つの治療戦略をもっている.これらは"トリド-シヤ理論"という生理機能の成り立ちと病気発生のメカニズムを説明する理論のもとに組み立てられている.4つの治療法は密接に関連し,相互補完しながら全体的な治療効果を生み出している.伝統医学と現代医学との治療効果を比較する場合には現代医学が薬物療法を中心的戦略にしているという理由から伝続医学の薬物療法だけを研究対象に選hでいることが多く,それによって伝統医学本来の効果が隠されてしまうこともある.本稿では,アーユルヴェーダの各治療法を別個に実施した場合と,同時に実施した場合の治療効果を現代医学的な視点で振り返り.その科学的な根拠を探った.