G蛋白質シグナルのアンバランスと高血圧

摘要

血圧を規定する①血管収級②腎でのナトリウム再吸収, ③交感神経系による調節には,いずれもG蛋白質共役レセプターが深く関与している.血圧を正負に制御する循環調節ホルモン(カテコールアミン.アンジオテンシンⅡ,エンドセリン,アドレノメデュリンなど)の多くは, G蛋白質連関レセプターを介して作用する.降圧薬の多くはG蛋白質共役レセブタ-をターゲットとし.広く治療に用いられている.臓器障害的に作用するGq共役レセプターシグナル(アンジオテンシンⅠ,エンドセリンなど)と臓器保護的に作用するGs共役レセプターシグナル(β_27?ドレナリン,ドパミン.アドレノメデュリンなど)のバランスの破綻は,高血圧,心肥大·心不全,血管障害の発症の共通のメカニズムと考えられる.