モチリン-腸管神経系による空腹期収縮機序－モチリンと空腹期収縮－

摘要

消化管運動は空腹期と食後期に分類され，それぞれ特徴的な収縮パターンを示す．特に，空腹期は強い収縮力を持った収縮波群が胃から始まり小腸を肛門側に伝播し，interdigestive migrating contraction（IMC）と呼ばれている．IMCと同期して血中のモチリン濃度が約100分間隔で周期的に変動しており，（MCはモチリンによって引き起こされると考えられている．モチリンの作用は消化管の平滑筋に直接作用するのではなく，神経系を介している．モチリンの消イヒ管運動に対する作用は迷走神経を介する経路と胃内のセロトニン神経上に存在するモチリンレセプターを介する経路の2つが考えられている．