はじめに

摘要

近年，高齢者の増加に伴い弁膜症は増加しつづけている.なかでも弁および弁下部の変性による僧帽弁逆流と，弁硬化による大動脈弁狭窄の増加が著しい.診断面では心エコー図法，とくに三次元心エコー図法の出現により診断精度が飛躍的に向上した.心エコー図法は診断のみならず，術中のモニタ一としても定着してきた.さらに三次元解析により，逆流のメカニズムやあらたな手術術式の開発もなされるようになつてきた.治療面では僧帽弁形成術が主流となり，手術成績が向上した.このため，より早期の手術がすすめられるようになり，無症状の僧帽弁逆流に対しても手術がなされるようになってきた.