うつ病の治療-身体療法の最新の動向

摘要

うつ病の身体療法は抗うつ薬による薬物療法を中心に発展してきた．抗うつ薬の原型は1950年代に合成された三環系抗うつ薬であるimipramineであるが．1980年代半ばまではもっばら三環系が主役であった．抗うつ効果は確かなものであったが，抗コリン性（口渇，便秘など）などの副作用のためにかならずしもコンプライアンスのよい薬ではなかった．この数年，新規抗うつ薬の開発の進展には目をみはるものがある．従来の抗うつ薬の欠点（主として副作用）を克服しようと多くの薬剤が開発されている．なかでも最近注目されているのは選択的セロトニン再取込み阻害薬（SSRl）とセロトニン·ノルアドレナリン再取込み阻害薬（SNRl）である．抗うつ薬の効果が得られないうつ痛が3割ほど存在する．そのうちの半分は電気痙攣療法（ECT）で改善が得られる．