Tumor dormancy therapyをめざした消化器癌化学療法の実際－少量分割投与のエビデンスと実際

摘要

現在の消化器癌における化学療法の間是は，わずかな治験者から得られた最大耐用量で投与されるため，縮小率はそれほどでもないにもかかわらず，重篤な副作用は高率にみられることである．最近のSNPの解析により個々でかなり最大耐用量が異なることがわかってきたこともあり，この方法を見直す必要がある．このように，縮小から延命をめぎす治療に限界がある以上著者が指摘した化学療法のもうひとつの効果であるtumor dormancyをめざす治療を選択肢のひとつとすべきである．そのためには少量頻回投与ということになるが，妥当性を証明するため，著者らは現在の量を分割する少量分割投与法をCP-11で開発し，副作用の激減，投与期間の延鼠TTPの延長などを得ることができた．また，少量分割投与は，癌研究界からも血管新生抑制効果，免疫賦活効果などの付加的効果が報告され，tumOrdormancytherapyとして期待できるものと考えられた．