サルコぺニァおよびサルコぺニァ肥満の 定義とコンセンサス

摘要

サルコぺニァはもともと"加齢による骨格筋Mの減少"との概念であつたが，現在では，骨格筋量の減少だ けでなく，身体機能（多くは歩行速度）および/または筋力の低下が加わつての複合概念へと変化している.2010年にョ一ロンパ，2014年にアジアのヮ一キンググル一プによるサルコぺニァ診断のコンセンサスが発 表された.しかし，診断に必須となっている骨格筋量測定の基準値は，臨床的意義に基づいて決められたもの ではない.一方，サルコぺニァ肥満は診断基準が統一されておらず.相反する研究報告の原因ともなつてい る.今後.サルコぺニァ診断のコンセンサスに基づいたサルコぺニァ，ならびにサルコぺニァ肥満の報告がな されていくと思われる.しかし，現在のコンセンサスでは，歩行速度と握力が正常であれば骨格筋量の測定を 行うことになつておらず.サルコへニァを前段階でみつけることはできないという問題点がある。