出芽酵母が語る選択的ミ卜コンドリア分解の基本原理 レセプ夕一介在性マイ卜ファジーのモデルとして

摘要

ミトコンドリァはエネルギー代謝の中心的役割 を担う細胞小器官（オルガネラ）であり，細胞内のATP需要に合わせてその量が増減する.一方，電 子伝達系由来の沽性酸素種(reactive oxygen species ：ROS)によって障害を受けたミトコンドリア は細胞から排除され，ミトコンドリァの品質が維 持されると考えられている.これらミトコンドリ ァの量や品質を管理する仕組みが，マクロオート フアジ一-リソソーム系による選択的ミトコン ドリア分解，"マイトファジー"である（図1).歴 史的には1960年代のマクロォ一トファジー（以 後，オートファジーとよぶ；「サイドメモ1」参照） の発見後ほどなく，オートファジ一でミトコンド リァが丸ごと隔離?除去されうることは示唆されていた.