薬剤性肺障害の診断に必要な検査(2) 画像診断

摘要

薬剤性肺障害には非侵襲的で信頼に足る臨床検 查がないために，その診断は多くの場合，除外診 断にならざるを得ない欠点がある.薬剤性肺障害 診断の診断基準として，被疑薬剤投与後に臨床 症状が発症している，②被疑薬剤投与の中止で症 状が改善する，③被疑薬剤の再投与で症状が悪化 する，文献的に被疑薬剤で同様の臨床病型を示 した症例の記載がある，などがあげられる.また， 臨床症状が類似する感染症や，被疑薬剤を投与す る理由となつた原疾患の悪化進行を除外しなけれ ばならない.前述のように臨床症状?検査所見は 非特異的であり，鑑別に決定的や結果を示す臨床 検査はない.しばしば行われる薬剤リンパ球刺激試験(DLST)は，被疑薬剤を加えて患者リンパ球 を培養し，~3H-thymidineの取込みの増加を測定 するものであるが,偽陽性や偽陰性がしばしばみられ，信頼に足る検査法とはいいがたい.