オキサリプラチンによる有害事象とその対策

摘要

FOLFOX療法は進行再発大腸癌に対する標準的化学療法として広く認識されている量実際に化学療法を安全かつ適切に施行するためには、期待される効果についてだけでなく，起こりうる有害事象を十分に理解しておく必要がある．オキサリプラチン有害事象としては末梢神経障害，血液毒性，過敏症などがあげられる．末梢神経障害はオキサリプラチンに特徴的な有害事象であり，冷刺激で誘発される急性神経毒性と,蓄積性の慢性神経毒性がある．また，過敏症は初回ではなく数回目の投与時に突然起こることが多く，注意が必要である，有害事象の把握には患者の訴えが参考になることが多く，早期対応するには十分な患者教育と，医療者－患者間の良好なコミュニケーションが重要である．