脳卒中地域連携パスの効果と課題

摘要

脳卒中地域連携パスによって，地域の医療がどのように変化したのかを明らかにし た報告は数少ない.本稿では，脳卒中地域連携パスの効果に関する論文を紹介すると ともに，筆者らが考える脳卒中地域連携パスの課題について考察した.脳卒中地域連 携パスの効果は，診療情報の記載，日常生活活動，急性期リ八の開始曰，看護業務， 回復期リ八病棟への転院，他医療機関との連携意識，入院日数などに関して少数の報 告がある.脳卒中地域連携パスの課題は，の効果を実証した報告が少ないこと，地 域住民のコンセンサスが必要なこと，維持期と在宅の機能強化が必要なこと，継 続的な質の改善が行われるべきこと，地域に1つの地域連携パスが運用されるべき こと，デ一夕収集の理想的な方法が確立されていないことである.今後，脳卒中地 域連携パスの効果に関する報告が増え，脳卒中地域連携パスの課題が解決されること が望まれる.