腹腔鏡下膵体尾部切除術膵癌に対するD2郭清，腹腔鏡下RAMPS膵体尾部切除

摘要

体位，ポー卜配置を工夫し，適切なポー卜を術者が使用する.腹腔鏡による尾側視野を活かして，先行して左腎静脈，腎被膜を露出することで腌後方剝離面を確保する. 膵切離時は，頭側に良好な視野を確保し，一定の圧を加えながら時間をかけて膝を圧縮して切離部を物理的に 薄くする.自動縫合器によって切離部に余計な力が加わらないように留意する.左側膝癌における膵リンパ流および膵後方剝離面の 確実な癌陰性化を考慮した順行性膵体尾部切除術は以前より行われていたが，これに対して2007年に Strasbergらによって付けられた名称がradical antegrade modular pancreatosplenectomy (RAMPS)である.RAMPSを根治性と安全性を保ちながら腹腔 鏡下に施行するには，手術手技だけでなく適切なデバ ィスの選択やポートの位置，患者体立などの様々なェ 夫が必要である.本稿では，当科で施行している腹腔鏡下RAMPSの標準手術手技を概説する.