高度肥満ならびに糖尿病に対するBariatric/Metabolic surgeryの現在-腹腔鏡下スリーブ状胃切除術および十二指腸空腸バイパス術

摘要

均一径で，狭窄?捻じれのないスリーブ状の胃管を作成する.バイパス腸管が長いため，そのカウン卜の際には，手繰った腸管を決めた向きに収め，また色素によるマーキングも併用して方向を誤認しないようにする. 十二指腸断端を2cm程度確保し，十二指腸?空腸の器械吻合を行う.Bariatric surgeryは，"摂食制限のために胃容量を 小さくする手術で，加えて栄養吸収制限を伴う手術で もよい"とされており.減量が主目的となる.一方， Rubinoらによれば，Metabolic surgeryは"糖尿病と 肥満を治療することを目的とした消化管手術"と定義 され.糖尿病の改善に重きが置かれている.しかし ながら，それぞれの手術に明確な線引きはなく，最近 ではBariatric/Metabolic surgery (BMS)の呼称で まとめられることが多い.現在，世界では年間60万 件以上のBMSが行われている.日本肥満症治療学 会保険委員会による緊急アンケート調査結果によれば, 2018年度には本邦でも全国49施設で671件の手術が 行われている.その93%が，本邦で唯一保険診療が 可能な腹腔鏡下スリーブ状胃切除術（以下，スリー ブ）となっている.スリーブはシンプルな術式の割に 体重減少?糖尿病改善効果が高いため，