膵癌鑑別におけるPETの意義と限界

摘要

2010年4月に早期胃癌を除くすべての悪性腫瘍に 保険適用となった~(18)F-fluorodeoxyglucose-positron-emission tomography (FDG-PET)は，膵癌診療に おいても広く行われており，細胞診?組織診を行う前 の良悪性鑑別診断を含めた画像上の確定診断の手段の 1つとして用いられることが多い.しかし，FDGは 活動性の炎症性病変にも集積するため，自己免疫性膵 炎などの良性疾患においても集積することが知られて おり，PET診断をそのまま膵癌の確定診断に用いる ことはできず，慎重に評価することが求められる.そ こで，本稿では膵癌の診断におけるPETの意義と限界について述べることにする.